ゆるむ秋
「あっ、どんぐり!」
今日、久しぶりに小平市にあるT大学のキャンパスに行った時、何かを踏んだ。
見ると、どんぐりがいたるところに落ちている。「あら、秋ねえ」。

思わず、しゃがみ込み写真を撮っていると、
「What is this?」と外国人の先生が背後から覗き込んできた。
無邪気にどんぐりを写真に撮っているのが気恥ずかしく、
「just taking this」とどんぐりを見せると、「Oh」と期待外れの顔をして立ち去った。
ここのところ、大学、学会、メディフェスと休みなしの私にとって、
小さなどんぐりを見た瞬間、何だか「ふっ」と肩の力が抜けた。これから授業が始まるにも関わらず。
メディフェスで私が担当した「子育てコミュニケーション」の分科会で、コミュニケーション不足の問題について議論した。
地域の人たちとコミュニケーションすることができない親が増えている。
親だけでなく、生活に追いまくられ、緊張を強いられる毎日に疲れている人々。
こういった人たちのコミュニケーション力を高めるには、まず緊張をほぐすことが必要だいう指摘があった。
そして、何も話さなくてもいい「間(ま)」が大事だと。
例えば、食べ物や焚き火は、言葉のない間をもたせることができる。
確かに、キャンプファイヤーは、ただ火を見つめているだけで不思議と気持ちが落ち着く。
一緒に何か食べると、それだけで気持ちが楽になり、自然に会話が始まる。
「ゆるむ」ということは、自分を縛る何かが緩むことであり、心の緊張が弛むことでもある。そして、コミュニケーションにとても大切なことなのである。
どんぐりは、存在の小ささに関係なく、ずっと緊張しっぱなしの私の心を少し弛ませてくれた。
食欲の秋、紅葉の秋。秋は一番心を弛ませてくれる季節かもしれない。
であるならば、コミュニケーションを活発にするには、秋が一番いいかもしれない。

小さな秋を見つけて、ちょっと嬉しい、かなともでした。
